松山東雲×SDGs
持続可能な社会の実現を目指して ― 東雲が今、できること ―
学長あいさつ
MDGsからSDGsへ
ミレニアムへの開発可能ゴールから継続可能な開発可能ゴールへ
SDGsは2000年9月にニューヨークで行われた国際ミレニアム宣言を基にまとめられた8つの目標MDGs(Millennium Development Goals)を継承したものです。未来を担う世界の子どもたちに公正で平和な社会を約束したものでした。このMDGsの達成期限の2015年までに達成できなかった目標、あるいは引き続き継続すべき目標を踏まえ、さらに目標を17にしたものがSDGsです。MDGsが人類を中心に考えられたものであったのに対して、SDGsは経済・社会・環境にまで言及しています。つまり、SDGsの17の目標は地球上に生を営む全ての人類の幸せを願ったものであり、さらにはジェームス・ラブロックが提唱するガイヤ理論としての地球生命体としての恒久的な安全と平和を意味しているようにも考えられます。
SDGsのSustainableを考えるとき、17の示された目標は正のスパイラルを描いて、さらに高みを目指し常に成長していくべき目標であると考えます。かつて、ジョン・レノンが歌ったイマジンを彷彿できる世界がSDGsの先にはあるのではないでしょうか。ネットの世界では一瞬で地球の反対側の人々とも様々な条件や垣根を飛び越えてつながるテクノロジーの世界があります。しかしその世界を維持するには多くのエネルギーが必要とされ、カーボンニュートラルを目指しながらも市井では多くの物資やエネルギーの無駄な消費があります。我々、一人ひとりができることが積み重なればバタフライ効果も可能であると信じることができるのがこのSDGsではないでしょうか。
松山東雲女子大学・松山東雲短期大学 学長 高橋 圭三
本学の取り組み (SDGsの視点から)
■135年の歴史 キリスト教精神に基づく女子教育
本学の建学の精神は「信仰・希望・愛」であらわされるキリスト教精神です。
本学の創立者の二宮邦次郎は、日本の発展のためにキリスト教を基礎にした教育と女子教育の重要性を説いた同志社の創設者新島襄に感銘を受け、同志社に学び伝道者となりました。彼が、1886年に創立した松山女学校が本学園の前身です。邦次郎の意志を受け継ぎ、これからも自立した女性を育成する教育を続けます。
■地域に開かれたキャンパス ―幼稚園・保育園・図書館―
キャンパス内に附属幼稚園と附属保育園が併設されており、地域の子育てを支える場となっています。
また、図書館は、学術・文化にかかわる学習・調査および研究を目的とする16歳以上の方を対象に学外の方もご利用いただけるようになっており、地域連携の一翼を担っています。
■地域に根差し、子育てを応援する「しののめ広場 たんぽぽ」
松山市の補助を受けて運営する、就学前の乳幼児と保護者を対象にした子育て支援広場です。
子育て中に役立つ情報提供や、利用者同士の交流ができます。
気軽に訪れ、子どもも保護者もほっとできる所を提供していす。
■看護師・助産師・産婦人科医・カウンセラーによる保健サポート
キャンパス内の保健室には看護師が常駐しています。加えて、助産師や産婦人科医による相談日を定期的に設けています。
さらにカウンセリングルームも併設されており、臨床心理士、精神保健福祉士、公認心理師など、専門のカウンセラーが学生の悩みに対応します。このように多方面から学生の心身の健康をサポートしています。
■女子学生の視点で作成された防災パンフレット
松山市との連携により、防災パンフレット「確実にくるいつかに備えよう」を作成。学生たちが「しののめ防災ガール」を結成し、女性ならではの視点で課題を抽出。ひとり暮らしの女子学生でも困らないように、日頃の備えや、地震が起きた時の行動の注意点などをまとめました。
■地域の子ども達と交流「子どもキャラバン」《子ども専攻》
地域の子ども達と交流するために、学生が、幼稚園や保育所、認定こども園に出張して、歌やダンス、手作り劇などを披露しています。子どもたちと学生が、ライブでのやり取りをしながら楽しみます。企画から運営まで学生主体で行っています。
■企業と共同開発《食物栄養学科》
2020年は伯方塩業㈱より商品開発のご指導と材料の提供をいただき、亀井製菓㈱と共同し、塩生キャラメル大福を開発しました。
また、2020年度より㈱オーシャンドリームと愛媛県産養殖マダイを使った加工食品の開発に取り組んでいます。
■愛媛県との協働事業「しののめベジガール」「しののめ魚魚っとガール」《食物栄養学科》
愛媛県が進める「愛顔のE-IYOプロジェクト」の一つとしてスタート。地元野菜を使った朝食メニューや手軽に不足分の野菜がスムージーやスープレシピを考案し、県民の健康増進に取り組んでいます。2020年には中国四国農政局「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」に選定されました。
2021年度からは「しののめ魚魚っとガール」も発足し、愛媛県の養殖真鯛やマハタ・キジハタの一般家庭への普及のためにレシピ開発を行っている。
■孤食・欠食への取り組み「久米ふれあい食堂」《食物栄養学科》
松山市内の公民館で開催している「久米ふれあい食堂」の調理ボランティアに参加。
夏休みには児童クラブの2・3年生を招待し、昼食を一緒に作る調理講習会も実施。現代社会の課題「孤食対策」に取り組み、市民の健康増進に貢献しています。
■こども教育実践研究センター
地域の幼稚園や保育所、児童福祉施設等との共同研究や協働事業を行っています。2019年度に松山市と共同で開発した新しい幼児教育の方法が、2020年度以降、松山市内の保育活動に取り入れられています。今後も、新たな社会サービスを生み出していくことが当センターの役割です。
■清掃ボランティア
学生・教職員と地域の方にもご参加いただき、大学近郊の清掃を定期的に行っています。
■学生主体のボランティア同好会「しのモン応援隊」
熊本地震をきっかけに被災地支援プロジェクトとして立ち上がった学生主体のボランティア同好会です。2018年の西日本豪雨災害ではすぐに現地入りし、被災地の子ども達の遊びをとおした心のケアを行いました。支援技能や資質を高めるための研修を受けたりしながら、継続的な支援活動を続けています。
■地域の課題に向き合う「社会調査演習」《心理福祉専攻》
社会調査の学びを活かし、地域の課題解決に取り組む課題解決型学習を展開。愛媛中予地方局と包括連携協定を結び、久万高原町の活性化をテーマに課題解決型学習を実践してきました。
■地域の商店街活性化の取り組み《現代ビジネス学科》
松山市中央商店街の集客力アップを目的とし、現代ビジネス学科の学びを活かしSWOT分析や現地調査、学生対象のアンケート調査を行っています。学生の視点から解決策を検討し、商店街活性化等の提言を行います。
トピックス
2024.7.22 情報メディア「Livika」にて、本学のSDGsの取り組みが紹介されました。