学長からのメッセージ

学長挨拶

松山東雲学園の前身である「私立松山女学校」は、1886(明治19)年に二宮邦次郎によって設立された四国初の女学校です。初代校長であった二宮邦次郎の遺稿には、「女性独特の技芸を身につけさせることが女子教育なのではなく、まず女性自身が、女性である前に人間として価値ある存在である事実に開眼して、人間の尊厳の認識と自覚を持つことができる人に教育するのが女子教育なのだ」と記されています。つまり、自尊感情を高め、自他を大切にし、未来を切り開く力を備えた人材の育成を目指していたのです。これは、今日の我々の教育においても色褪せることなく引き継がれ、進化を続けています。
松山東雲学園は、認定こども園、中学・高等学校、短期大学、大学を有する総合学園です。その中で、松山東雲短期大学は1964(昭和39)年、松山東雲女子大学は1992(平成4)年に桑原キャンパスに設置されました。両大学において、これまで様々な改革を行ってきましたが、社会の急激な変化、急速な少子化に対応するために、その歩みを早める必要があります。そこで、2024年度に新たな中期計画を策定いたしました。
この中期計画では学園のビジョンとして、建学の精神を踏まえ、「地域に必要とされる学園に」、そして、中期目標として「満足度の向上を通して選ばれる大学へ」を掲げています。「地域に必要とされる学園」になるため、地域の高等教育のニーズに沿った教育改革を検討しているところです。多様な価値観を持つ多様な人材が、安心して学びたいことを学び続けることができる、そんなキャンパスを目指します。現在、発表できる段階ではございませんが、準備が整い次第、お知らせいたします。また、「満足度の向上を通して選ばれる大学」になるための取り組みは、その一例として、多様で柔軟な教育プログラムを設置することで、学修者本位の教育を実現し、学生一人一人の可能性を最大限に伸ばすことを目的としたものを挙げることができます。
松山東雲女子大学・松山東雲短期大学は、小規模大学だからこそできることを深化し、新しい時代に対応した教育改革を積極的に推進してまいります。そして、持続可能な地域社会の実現のために、地域から信頼され、期待される大学として進化し続けます。桑原キャンパスにおける学びを通して、社会・生活基盤を支え、地域の成長・発展をけん引する人材として羽ばたきましょう。
松山東雲女子大学・松山東雲短期大学 学長 水代 仁